RACE REPORT

SUPER FORMULA

第4戦 鈴鹿サーキット

第4戦(5月23日・曇り・雨/ドライ・ウェット)

予選&決勝レポート

突然の雨を味方につけ、ルーク・ブラウニング選手が大幅ポジションアップの4位入賞

2026年の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)、シーズン3つ目の大会は鈴鹿サーキットが舞台。もてぎ大会に続いて2度目の2レース制フォーマットで、5月22日(金)に2回のフリープラクティスを行った後、23日(土)に第4戦の予選と決勝が、24日(日)に第5戦の予選と決勝が行われる。なお、4月26日(日)に開催予定だった第3戦オートポリス大会の決勝レースは悪天候により延期となったが、その延期された決勝レースが7月に富士スピードウェイで開催される第6・7戦と合わせて行われることがSFの統括団体である日本レースプロモーションから発表されている。

金曜日のフリープラクティスは、気温26度、路面温度は41度と高く、日差しがまぶしい晴天の下でのセッションに。トップから1秒以内に18台がひしめくような僅差の戦いの中、ルーク・ブラウニング選手は総合10位、笹原選手は23位という結果だった。ただし、第4戦の予選と決勝が行われる23日(土)は天気が崩れる予報が出ており、フリープラクティスの結果が、そのまま予選につながるとは考えにくい。翌日の本番に向け、チームはセットアップの方向性を煮詰めていくことになる。一夜明けた鈴鹿は、予報通りの曇天で、吹き付ける風は肌寒さを感じるほど。公式予選時の気温は前日より4度低い20度で、路面温度に至っては21度と、20度近く下がっていた。

KONDO RACINGは、まずは笹原選手がQ1のA組で出走。コースインしたラップでは他車をかき分けながらコースチェックを行うと、そのままピットに戻りタイヤを交換。2周のウォームアップラップを経てアタックに向かった。前方で1台、アタックに失敗した車両がスローダウンしていたが、スプーンコーナーあたりでこれをクリアした笹原選手は1分38秒626を記録。しかし、このタイムはグループ9番手となり、残念ながらQ2進出には届かなかった。

続くB組で出走したブラウニング選手は、笹原選手と異なるストラテジーで、ウォームアップラップを1周行った後にアタック。1分38秒289をマークし、コントロールライン通過時点では、Q2進出圏内となる6番手に浮上。しかし、その後2台に上回られ、ブラウニング選手は8番手へ後退、こちらもQ2進出には届かず、総合結果ではブラウニング選手が16位、笹原選手は17位となった。

サポートレースやピットウォークを挟み、決勝レースはあっという間に迫ってきた。今大会は31周ないし75分のレースとなる。空模様はどんどんと暗くなっていき、ホームストレートに吹く向かい風には湿り気も感じられ、冷たさを感じるように。それでも雨粒が落ちてくることはなく、定刻の14時15分にフォーメーションラップがスタートした。

各車が正規のグリッドに着くと、シグナルのブラックアウトとともに31周の決勝レースがスタート。抜群のタイミングで加速したのはブラウニング選手で、16番グリッドから一気に2台をかわし、さらに1コーナーから2コーナーに向けたアプローチでもう1台をとらえるとオープニングラップで3ポジションアップに成功し、笹原選手もエンジンストールした1台をかわして1コーナーへと入っていった。序盤の数周は各車が接近しながらも膠着状態で、ブラウニング選手も笹原選手も決定打がなく、ポジションキープで周回が進んでいく。9周を終えたところで笹原選手が先にピットイン。タイヤを交換してコースへと復帰する。しかし笹原選手の車両には、ひどい振動の症状が出ていた。その影響もありペースが上がらず、オープニングラップで一度は上げたポジションも徐々に後退。タイヤを替えたものの、更にその症状はひどくなり、安全にマシンを止めることも難しい状況に。17周を終えたところで再びピットロードへと舵を切ると今度はガレージに入ってしまい、ここでレースを終えることになった。

ブラウニング選手は序盤でのタイヤ交換を避け、引っ張る作戦に。ちょうど笹原選手がピットに向かった9周目あたりから西コースで雨粒も確認され、WET宣言も出されたところだった。ただ路面が急激に濡れてしまうような雨ではなく、各車がドライタイヤのままで周回を続けていく。17周目に130Rで1台がコースアウトしタイヤバリアにヒットするアクシデントが発生。この車両回収のためにセーフティカー(SC)が入ったタイミングで、ブラウニング選手は上位陣とともにピットへと戻ってきた。この時点で5番手まで順位を上げていたブラウニング選手だが、アンダーカットを狙ったライバルの先行を許し、コース復帰時には9番手まで後退してリスタートを迎えることに。ただしその後で大きな逆転劇が待っていた。

SCラン中、雨がわずかに強まり路面が急に濡れ始めると、迎えたリスタート直後の2コーナーで1台がクラッシュ。更にその先のNIPPOコーナーでも1台がコースアウトからグラベルにつかまり、再びSCが入ることになった。このタイミングで、ドライタイヤのままコース上に留まるのは難しいと判断したのか、上位陣が続々とピットに戻っていったのだ。ステイアウトを選択したのはブラウニング選手を含め8名で、これで一気に2番手までポジションアップに成功する。残り4周で2度目のリスタートが切られると、その直後に2台の先行を許し表彰台圏内からは後退してしまったが、16番グリッドからのスタートを考えると大幅ポジションアップ。今季ベストリザルトタイの4位でチェッカーを受けた。

予選結果

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 1 AUTOBACS MUGEN 岩佐歩夢 1’37.401 1’37.119
2 16 AUTOBACS MUGEN 野尻智紀 1’37.662 1’37.137
3 50 San-Ei Gen with B-Max 野村勇斗 1’38.424 1’37.600
16 3 REALIZE Corporation KONDO ルーク・ブラウニング 1’38.289
17 4 REALIZE Corporation KONDO 笹原右京 1’38.626

参加台数:24台 出走台数:24台



決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 37 VANTELIN TOM’S サッシャ・フェネストラズ 1:05’12.423 29 1’39.923
2 22 DELiGHTWORKS 松下信治 0.760 29 1’40.124
3 36 VANTELIN TOM’S 坪井翔 1.159 29 1’39.718
4 3 REALIZE Corporation KONDO ルーク・ブラウニング 6.639 29 1’41.557
4 REALIZE Corporation KONDO 笹原右京 D.N.F 12 1’41.914

参加台数:24台 出走台数:24台 完走台数:18台
規定周回数 29Laps

FASTEST LAP

No. TEAM LAPTIME
36 VANTELIN TOM’S SF23 1’39.718 (29 / 31)

近藤監督のコメント

近藤監督 PHOTO

笹原は、前が見えなくなるぐらいのバイブレーションが出ていると無線で伝えてきて、安全にコースに止まるのも難しいという状況だったのでピットに戻ってくる判断をしました。残念な結果ですが、メカニックがしっかりとクルマを見直してくれて、原因は少しずつですが分かりつつあるので、明日は同じようにはならないはずです。ルークに関しては、4位入賞は良かったけれども最後が少し残念でした。ヨコハマタイヤのドライタイヤで、ちょい濡れの路面を走るという経験が、後ろから迫ってきた2人に比べると少ない分、最後は苦しかったと思います。でもいい仕事をしてくれたと思いますね。今日はJP(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がS字コーナーで空の様子や風の状況などをチェックして、無線で伝えてくれていたんです。ものすごく力強いスポッターでした。2台とも、課題は予選。明日は今日とは天候も変わるようなので、それを味方につけて予選からいいポジションを狙っていきたいです。

3号車 ルーク・ブラウニング選手のコメント

ルーク・ブラウニング PHOTO

予選はベストを尽くしたのですが、まだQ1突破には届きませんでしたね。AグループとBグループで通過できるタイムの差が大きかったので、もしA組だったら突破していたかもしれませんが。決勝は、レーダーで雨雲を確認していたので、その様子を見るというのもあってピットインのタイミングを遅らせていました。2度目のSCのときにステイアウトしたのは、エンジニアの判断でしたね。終盤の4周は苦労しましたが、4位フィニッシュができて良かったです。ストレートスピードをもう少し上げられればと思っているので、明日はそれを何とか改善したいですね。

4号車 笹原右京のコメント

笹原右京 PHOTO

4号車に関しては、いろいろな課題があるのですが、そのうちの一つはフリープラクティスでちょっとクリアできたかなという感じがありました。ただ予選はコンディションが大きく異なっていたので、そこに対するアジャスト、合わせこみが足りなかったのかなと思っています。個人的にはあれ以上ないラップだったと思うのですが、それだけのパフォーマンスだったんだろうなと受け止めています。決勝は、本当にバイブレーションがひどくて。揺れが大きくて、コーナーが3つぐらいに見えるほどで、視界が定まらない状態でした。何か壊れているんじゃないかというぐらいでしたし、ラップごとに悪化していったので、チームに伝えてピットに戻ってくる選択をしました。今、チームがクルマを一生懸命見直してくれているので、症状が改善することを祈るのみです。

3号車 エド・リーガンエンジニアのコメント

我々はまだこのクルマに対する経験が豊富ではないので、今週末のようにコンディションが急激に変化すると、それに対してのアジャストが非常に難しいです。今日のキーポイントは、2度目のSCの際にステイアウトを選択したことです。実はルークはウェットタイヤに交換したいと無線で伝えてきていて、我々も無線でピットへと呼んだのですが、ちょっとタイミングが悪くピットロードへの入り口を逃してしまったのです。次の周で入ると最後尾に下がってしまうため、コースに留まるしかありませんでした。これが正しい判断であることを願っていましたが、幸いなことに良い方向へと向かいましたね。今週末はもう1レース待っていますが、第5戦での最初の目標は、予選でQ2に進むこと。毎回あと一歩のところまで来ていますが、まだ達成できていません。ですので、まずはそれを目標に定めたいと思います。

4号車 コシモ・プルシアーノエンジニアのコメント

決勝レース中、笹原選手から車両のバイブレーションを訴える無線が入り、それが徐々にひどくなっていきました。彼の視界が悪くなるほどだったので、途中でピットに戻したというわけです。まだ車両を細かくチェックしている段階で、原因はつかめていないのが正直なところです。この問題が解決すれば、明日に対する目標は明確で、まずは予選ポジションの改善。Q2には進みたいですね。トップ12、トップ10からスタートできれば、ポイント獲得も目指せると考えています。

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